「日常とは」

ハンドメイドの車と、どのように整備する側は接するべきなのか。当たり前が通用しない車を整備する側の心構えを考えてみました。

Text/Photo: Yasuo Murosaki (StarCraft Kobe)

いつもお世話になりありがとうございます。本日はご入庫いただいておりまランボルギーニ・ミウラについてお話を。

今回はブレーキ周りのリフレッシュでご依頼いただきました。ひとえにブレーキ周りのリフレッシュと申しましても、製造から半世紀もの歴史を重ね現存するお車。

以前もお話をさせていただきましたが、様々な条件を携えないと今ここに存在しない奇跡。弊社がこのお車の歴史の1ページに携わらせていただける事に感謝し、責任を持って、正確な作業で進めます。

私、室﨑、どのお車もですが、直ぐには作業致しません。先ずは車両を隈無く目視。歴史を重ねたお車には、セオリー通りの現状など皆無に等しいと捉えます。

ハンドメイドの要素が加味されれば尚更です。ドアやカウルのチリなどの状態を把握した上で、慎重に可動部を開閉していきます。

この確認は、実は基礎であり大変に重要なポイントです。ハンドメイドの車、例えばアストンマーティンのDB6なども同様ですが個体差が必ずあります。その個体の”日常的な可動域”というものを見極めるのが基礎の基礎です。

その後、下回りを確認して、オイル漏れはないか、フロアの状態はどうかの見極めを行います。

自動車が量産化することによって得た功績は、車両の組立精度と均一化した整備性だと言われますがハンドメイドの車にとっては”日常的な可動域”を見極めないとジャッキアップですら大きな負担となってしまいます。

ホイールを緩め慎重に状態を確認しながらジャッキアップしていきます。その後ホイールを外しキャリパー、ローター、ハブを分解。この際もこのお車の”固有の癖や馴染み”を感じながら作業を進めていきます。

普段から整備をしながら感じますが、“日常的=当たり前”とするならば、当たり前って、忘れがちに感じてしまう節が多いように感じられます。当たり前って継続的な奇跡であり、この奇跡に感謝を忘れると、“日常的で無い”問題や事故が多いように感じられます。

整備する私たちも日常の当たり前に胡座をかかず、当たり前とより感謝をと、感じた一日でした。

これからもスタッフ一同、精進して参りたく存じます。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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