ボーラを眺める

久しぶりのレストア記事になりますが、改めてボーラを見てみると色々と思うことがありました。

Text/Photo Yasuo Murosaki (StarCraft Kobe)

久しぶりのレストアの記事、(記事自体もご無沙汰していて、ごめんなさい)ムロサキでございます。お客様からご依頼をいただいていたボーラですが、ようやくここまで仕上がりました。生産を中止して、すでに40年以上を経過している分、部品の供給も少なく本当にお時間を頂いてしまいました。

レストアをしていると色々と気づくことがあります。ボーラはマセラティ初のミッドシップエンジンの車ですが、どのようにエンジンを車体中央に置きドライブトレインを確保しているのか、当時の技術者の苦悩を感じます。また、ボディとシャシーを分離してみると当時の生産精度というものも目に見えてよくわかります。

生産台数からしても、間違いなく手作りであったであろうボーラ、そこには人が組み上げた感触がありその感触を2020年の現在、非常に深く感じます。溶接一つにしても、間違いなく生産工程で人間が行なってであろう作業があり、その感覚を2020年に再度味わいながらパネルやフレームの作業をさせていただきました。

塗装に関しても、弊社板金部門で最新の注意と配慮をさせていただきました。塗装が厚すぎるとボディがキリッとしませんし、また薄すぎてもラインが貧弱に見えます。曲面を多用している最近のボディですと、塗装のパネル毎の均一感である程度の矯正は可能ですがこの時代のボディにメリハリ、光と陰があるようなモデルになると気を使います。

古い車のレストアは、その時代の作り手の顔を見るようで本当に楽しい(そしてまた苦しいわけですが……)作業です。お時間をいただきますが、もうすぐでご納車の予定となります。

ご用命いただきまして、誠にありがとうございました。

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